Jazzピアニスト石井彰(Akira Ishii)の気まぐれな日記Blog 2021年12月
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10月からブログも更新せず、気が付けば大晦日。。。今年も1年いろいろな新しい試みや自分を見つめ直す機会があり目まぐるしい年となりました。大きな身体的なトラブルもなく年を越せそうです。応援頂いた皆様には本当に大きな感謝しかありません。有難うございました!!
10月13日のソロピアノコンサート『感傷会』には沢山の方に聴いて頂くことが出来ました。
3年ぶりとなったホールでのソロ。自分をじっくり見つめ直すには最高の機会でした。
初めての「目黒パーシモンホール小ホール」はピアノの調子、調律も万全で臨みました。
自分が難病と共に生き、これからの活動もまだまだ行けるなと確信が見えたと同時に、課題や問題点も明確に見えて来ました。もっともっと音を選び奏でる密度、精度を上げ、よりシンプルに、
より深く。音楽の道には終わりがありません。煩悩を捨て去り無心の境地には遠い道のりがあります。それを実感できたかと微かに感じれたのは、11月16日の新宿「Pit Inn」での金澤英明さんとの譚歌Duoのライブの時でした。音楽が自然に進んで行き、その流れに自分の意思がありながらエゴを捨てて行けていると今までにない感覚を覚えたということを告白します。
エゴの塊であるソロピアノに、その感覚で臨めるまでにはまだまだ修行が必要。自分を証明しようとせずとも自然と音楽を生み出せるには人間の成熟しかありません。来年というかこれからの目標はこれしかありません。こういう事を考えている事自体がその目標に反しているのですけどね(笑)
『感傷会』のセットリストをここに記します。
1st
Liebeslied(Kurt Weill)
Imagination(Van Heusen)
Moon River(Henry Mancini)
Embrace(Akira Ishii)
Sometime in The Snow(Akira Ishii)
2nd
七月のマリー(Akira Ishii)
Azan(Akira Ishii)
Blossom(Keith Jarrett)
Waltz For Debby(Bill Evans)〜For Bill(Akira Ishii)
Nardis(Miles Davis)
Feelings(Morris Albert)
小さな空(Toru Takemitsu)
このコンサートは録音され当初なんらかの形で発表しようと考えていましたが、ノイズなどの問題点が多く、完全な形での発表ができそうにありません。近々僕のYoutubeでなんらかの形で少し発表するかもしれません。お楽しみになさってくださいね!!
自分のバンド『Chamber Music Trio』『Quadrangle』は演奏回数はさほど多くなかったものの、濃密な変化を遂げています。
須川崇志(vc)杉本智和(b)との「Chamber Music Trio」は、オリジナル曲の割合が8割を超えた感があります。このバンドの為に曲を書こうという意欲が止まりません。「Silencio」の発表から4年が過ぎようとしていますが、成熟度は凄まじく、手前味噌ですが大きな変貌を遂げています。
そろそろ次の作品が作りたくなって来ています。来年2月17日には渋谷「公園通りクラシックス」でのライブがありますので是非聴いていただきたく存じます。
「Quadrangle」。水谷浩章(b)池長一美(ds)とのリズムセクションに石井智大(vn)を加えたカルテット。当初から「四次元的四角形」という立体的を超えた四角形を目指したカルテット。それぞれの個性は凄まじく幽玄な音世界が広がるバンドになりました。僕のオリジナルに留まらず、水谷浩章、石井智大が意欲的にオリジナルを提供してくれるのが嬉しく。自分のバンドというより、バンドとして成長して行っている。こちらは来年1月18日に吉祥寺「サムタイム」でライブがありますので、是非実感して欲しいと思ってます。
今年の1番のトピックスは何と言っても吉田美奈子さんとの活動がいよいよ本格始動したという事に尽きます。2016年の熊本震災チャリティーアルバム「SHINJUKU MADNESS」での共演がきっかけとなりご縁を頂いたのですが、昨年秋の「石井彰スペシャルカルテットfeat.吉田美奈子」のツアーで大きく前進。今年はGWの「吉田美奈子と低音楽団」(目黒Blues Alley Japan)公演を経て年末12月15日の杉並公会堂での完全アコースティックコンサートまで漕ぎ着けたのです。
吉田秀(年末は溝入敬三)、吉野弘志、金澤英明という3人のコントラバス奏者とピアノを従えあまりにアーティスティックな美奈子さんのパフォーマンスは圧倒的であったとしか言いようがありません。杉並の直前に大阪で「East (太陽と月)West」というイヴェントに参加した際はこのバンドに石井智大(vn)を加えたスペシャル低音楽団として出演したことは、低音楽団の可能性が見えた有意義な事でした。来年のこのバンドの発展が楽しみでなりません。
そして『吉田美奈子with譚歌duo』。この秋から大きなステージを経験し、ユニットとして固まりつつあります。来年5月6月には東海、関西、山陽、四国、九州への大きなツアーが予定されています。これは本当に大きなステップアップになると確信しています。どうぞご期待下さい!!
美奈子さんともよく話すのですが、ゆったりと情感込めて音楽を奏でる事の大切さ、求めている音楽への共感が深く、ごく自然に音楽が作って行けるのです。元々大きく激しく速い音楽に自身の違和感というか重きを置いてこなかった自分の本質。美奈子さんも体調万全な身体ではないのでツアーでもペースを考慮せなばならないといった事も、自分のペースと合うというのもあります。
これから音楽人生の終盤に向けての課題〜冒頭に書いたような目標にピタリと合致するのは運命としか言いようがありません。とても明るい未来だと思っています!!
これに加えて『譚歌チャンネル』!!昨年4月に爆誕したYoutubeチャンネルは予想外の盛り上がりを見せ、狭い世界ですがジャズ界でも注目される事となったのは大きな喜びです。出演希望されるミュージシャンも多く、嬉しい悲鳴を上げております。現在年末年始のお休みを頂いておりますが、すぐに復活致しますので、こちらもお楽しみに!!
長々と綴って参りましたが、とにかく体調管理、スケジュール管理を今まで以上にしっかりして、来年2022年も誠実な音楽を奏で続けたいと思っております。まだ書けない素敵なトピックスも幾つかありますので、このブログ、そしてFacebookページのチェックをよろしくお願い致します。
2021年12月31日 石井彰
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