憧れ


私が19歳の頃。大阪音楽大学で作曲を学んでいた頃、初めてジャズのレコードを買ったのが、
Bill Evansの「Portrait in Jazz」だった。斬新なピアノトリオのコンセプトで〜という触れ込みだったが、何がオーソドックスで何が斬新なのかもわからない頃。これがピアノトリオのあり方なのだと信じて疑わなかった。ひとしきりはまりきってから他のピアニストにも目が行くようになったのだ。もうもはや恋は盲目。。。な感じ。ひたすらBill Evansを聴き、同じように弾くためにコピーし、弾きまくる毎日。

この頃が懐かしい。大学の友人、井上 陽介(b)と岡田佳大(ds)でトリオを組み、来る日も来る日も練習。時間がもっと欲しかった。

Bill Evansには初期、中期、後期と一般的に分けられる。後期の激しさとロマンティクさを増したトリオも魅力的で「パリコンサート」というライブ盤も愛聴していた。

最晩年の最後のトリオはMark Johnson(b) Joe Labarbera(ds)という若手がBillに刺激を与え続けていた。

そこでドラムを叩いていたJoe Labarberaさんと共演できる日が来るとは夢にも思わなかった。

今月、Pat Labarbera(ts)Joe Labarbera(ds)の兄弟と共演する機会を得た。13日、NHK FM 「Session 2016」の収録で初めて顔合わせだ。竹内直、鈴木央紹の日本組テナーと金澤英明(b)とのスペシャルセクステット、Patさんが共演していた名ドラマーElvin Jonesへのトリビュートプログラム。夢のような時間はあっという間に過ぎ去った。この日の模様は4月にオンエア予定です。是非ともお聞きください。

15日にはトリオで出演中の御茶ノ水「NARU」にお二人が遊びに来てくれた。井上 陽介(ds)は同じ時期にEvans Trioにはまっていた盟友、江藤良人(ds)はElvin Jonesがアイドル。二人ともびっくりするやら嬉しいやらで大はしゃぎ。Patさんが飛び入りしてくれて「In your own sweet way」を演奏。そして江藤良人(ds)に替わってJoeさんがドラムの前に!井上 陽介とのトリオだ。何と言うこと。。。。!?はっきり言って舞い上がってしまったが、Billの名曲「Peri's Scope」を一緒に演奏した。

その後、二度演奏したが、毎回激しい感動が体を駆け巡る!本当に素晴らしいお二人だ!

あと一度、一緒に演奏します。これは是非とも聴いていただきたいですね〜何の種も仕掛けもありません。普通に奇をてらうことなくオーソドックスに演奏するだけです。しかし、こんなに感動を与えてくれるミュージシャンも珍しいと思います。Bill Evans,Elvin Jones,John Coltraneの空気を本当に感じます。

2月21日(日) 『山手西洋館ベーリックホール』  17:45〜 
Pat Labarbera(ts) Joe Labarbera(ds) 石井彰(p)金澤英明(b) 
お問い合わせ Five Stars Records
info@fivestars-records.com

投稿者 石井彰 : 21:52 | ライブ | コメント (0) | -
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