Jazzピアニスト石井彰(Akira Ishii)の気まぐれな日記Blog トリオツアー終了。
ツアー後半戦はまず浜松から。
10月25日は日野皓正さんの誕生日!!浜松でのフェスティバルの前日リハーサル後、ヤマハの方々がバースデーケーキでお祝いを。奇しくも三日連続で日野さんのお祝いをすることに!何度でもめでたい事はめでたいのだ。いつまでもパワフルでセクシーであって欲しいです!
翌日は本番。3つのバンドが出演し、日野皓正(tp)クインテットは2番目。とても大きな「アクトシティ大ホール」で、気持ちよく演奏してきました。ジャズウイークとあって、先週から様々な場所で多彩なプログラムが聴けるこのフェスティバル、かなり楽しい!!
26日の浜松公演が夕方終わったので、そのまま京都へ前乗り。夕方にトリオのメンバーも京都に来ることになっている。。。。。ので、極自然と京都お寺巡りに。なかなか来ることがないので、お初のお寺を目指して。まずは清涼寺。ここには「清涼寺式釈迦如来」という独特な形のお釈迦様が本尊。頭髪と着てる物の模様が、渦を巻いてるんですな。日本にかなりな数、この形のお釈迦様がいらっしゃる。「清涼寺式」というくらいなので、ここが発祥の地か?宝物殿には、このご本尊の胎内から出て来たいろんな絵や五臓六腑の模型などが国宝として展示されている。国宝の阿弥陀三尊(観音、勢至菩薩)が凛として素晴らしい。
そして、大覚寺へ。平安期に嵯峨天皇が嵯峨離宮を建て、崩御後に皇后により寺に改められて誕生した。さすが天皇家、格式高い伽藍。それぞれが長い回廊でつながっている。襖絵や屏風が素晴らしい。仏像見仏目当ての私は重文の五大明王像に魅せられてしまったのだ!
すこし離れた真如堂は紅葉で有名。天台宗のお寺だ。特に女性からの深い帰依を受けていたせいか、女性が好みそうな非常に美しさ、気品の高さが感じられる寺だ。残念ながら紅葉には早かったようだ。
夕方、RAGに入り、音楽モードへ。とても落ち着いて音楽に向かえる気がした。久しぶりの自分のトリオでの京都出演を楽しみました。
翌日は午前中から仏友杉本智和と京都見仏へ。四条大宮から「らんでん」という可愛らしいチンチン電車で仁和寺へ。
平安時代、58代光孝天皇〜宇多天皇の時期に建立されて以来、明治維新まで皇子皇孫が仁和寺の門跡となられ、御室御所と呼ばれてきたそうな。とても広々とした境内は国宝、重文の伽藍、宝物が数多くあります。
お寺なんだが、御所なので、もの凄い豪華絢爛のお屋敷の見学という感。1000年以上昔の京が栄えていた頃を想像しながらゆっくりと見学。肝心の見仏は霊宝館の名宝展で。いきなりど迫力の愛染明王に度肝を抜かれる!落ち着いた感じの阿弥陀三尊が素晴らしい。
ゆっくりしていると。。。。おっと、今日は神戸へ行く日なんじゃなかったのかい?てなことで、急いでホテルへ引き返す途中、やはり太秦で途中下車してしまう我々二人であった。
広隆寺の宝物館へ脇目もふらずにずんずん突き進む杉本と私。国宝第一号のかの有名な弥勒菩薩。。。あまりの素朴な美しさに時を忘れる。本当はもっとゆっくりしたいのだが、後ろ髪を引かれながら宿へ戻り、神戸へ向かう。
三宮のハンター坂にある「クレオール」、神戸のホームグラウンド的なスペース。こじんまりとしている中に極上のYAMAHA C7が鎮座する。少し手が加えられていて、とても良い音がする。いつもはソロが多いのだが、トリオは初めてだ。とても響く空間なので、ドラムの音が回ってしまうのではと心配なのだが、パワーで押すタイプのトリオではないので、バランスは安心していたが、その通り普通にやりやすかった。逆にアコースティックが気持ちよい。
ツアー最終日、気持ちよい秋晴れの京都を発ち、甲府へと向かう。トリオツアーの最終地は山梨県の甲府。武田信玄のお膝元。「コットンクラブ」は古い銀行の建物を改造したジャズクラブ。20pの厚みを持った扉の金庫室が控え室だったりして楽しい。
トリオのサウンドも三日も続けば欲が出るし、冒険度も増すってもんだ。古いヤマハのグランド(SCって言ったっけ。。)の重厚なサウンドもあり、気持ちよく演奏させて頂きました。今月のツアーは、とても中身が濃く、実り多いツアーでした。また九州や、東北へも行きたいです!
今日は移動時間も長かったので、見仏は出来なくてどことなく寂しかった杉本智和と私に待っていたご褒美は!!?夕方甲府の街をぶらぶらしている時に突然目に入って来たのだった!!
十一面千手観音菩薩像。何故、甲府の何でも屋のような所のショーウインドにおわすのか。何処からいらしたのか。何故、脇侍が聖観音とシロクマなのか。謎が深まるばかりでしたが、何かお導きを感じずにはいられない日でした!
らんでんに乗って。