JAZZ ART SENGAWA 2020

『JAZZ ART SENGAWA 2020』

いよいよ明日に迫りました。「Quadrangle」 石井彰(p)石井智大(vn)吉野弘志(b)池長 一美(ds)で出演します。

僕が追い求める「何よりも自由で妖しく、深く、高貴で感傷的な。。」少々欲張りかもしれないが、心の奥に渦巻く気持ちを言葉で表すならこんな感じなのだ。この理想を追求し、体現する為に自分のいくつかのユニットは存在する。一緒に音を共有してくれる人ももちろん僕が理想とするプレイヤー。明日はこの4人でどこまでやれるか。是非聴いて欲しい。そして感じて欲しい「4次元的四角形」。どうぞよろしくお願いします‼️


9月20日(日)15:00開始
「調布市せんがわ劇場」東京都調布市仙川町1-21-5  
チケットはこちら→ https://passmarket.yahoo.co.jp/・・・/detail/01ju8m115sffk.html
❣️お得情報❣️割引コード欄に「ripitaruoki」と入れると。。。なんと500円引きでご購入頂けます😉

配信はこちら→ https://twitcasting.tv/jazzartsengawa/shopcart/24529

投稿者 石井彰 : 14:07 | ライブ | コメント (11) | -

Mr.Gary Peacock....



ベーシストのGary Peacock氏が亡くなった。享年85歳。

人は皆死ぬ。悲しいとか残念だとか言う前に、素晴らしい音楽をありがとう。お疲れ様でした。
という気持ちでいっぱいだ。

彼の業績を事細かに振り返るのは、マニアの方にお任せするとして。自分とゲイリーさん(以後ゲイリーさんと表記します)との接点について書いておきます。


あれは1986年10月13日。僕が23歳の頃、3年前に発表された『Keith Jarrett Standards Vol.1,2』に衝撃を受け、1985年のトリオ初来日公演ではあまりの崇高な世界観に打ちのめされ、自分の目指すべき音楽の在り方はこれだ!!と、研鑽に励んでいた頃。2度目のトリオ来日大阪公演が決まり、チケットを取り、何日も前から楽しみにしていた前日、ベーシストの西山満さん(大阪時代のボス。大変お世話になった方)から電話が。「明日ゲイリーさんに会いに行こう!!」

大阪フェスティバルホールでのコンサート前、彼らの滞在先である中島ロイヤルホテル(現リーガロイヤルホテル)のティーラウンジで約1時間、ゲイリーさん、西山さん、そして僕という異例の3人組でのティータイムが始まったのであった。。ゲイリーさんは以前、京都に住んでいた事もあり、関西のベーシストは何かしら関係があったらしい。そして、日本語がペラペラ。だからここでの会話も滞りなく行われたのだ。

この緊張感の中、僕の人生の固定概念を根底からひっくり返す言葉がゲイリーさんの口から発せられた。

『このトリオは音楽を上手くやろうとは思っていません。リスクをあえて侵していくのです。曲が始まると同時に3人で荒れ狂う海に飛び込んで行く。3人とも溺れてしまう事もあるけど、見た事もない楽園に3人同時に辿り着く事もあるのです。音楽でリスクを侵す事を恐れてはいけません。』


まだペーペーのミュージシャンの僕にとって、衝撃的な言葉だった。リスクを侵すって何だ?!今では当たり前のミュージシャンの心得だが、今思ってもKeith Jarrett , Gary Peacock , Jack DeJohnette この3人の繰り広げる音世界は神レベルだ。

記録によれば、この日のセットリストは、
The Wind
Woody'n You
In Love In vain
Autumn Leaves
If I Were A Bell

All Of You
I Should Care
Someday My Prince Will Come
All The Things You Are
When I Fall In Love
Billy's Bounce
I Remember Clifford

大学生のジャズ研でもやる曲のオンパレードだったが、物凄い演奏だった事は今でもハッキリ覚えている。

このコンサート後に、なんとゲイリーさんと飲みに行く!!という、これまたとんでもない経験をしたのだが、
1曲目だけ知らない曲だったので、何という曲でしたか?という僕の質問に対して「The Wind.風ですね〜!ラス・フリーマンの曲です。」と教えてくれたゲイリーさん。物凄く上機嫌で「今日のキースさんの演奏は、unbelievable! 頭が無かった。ここだけだった!!」と胸をトントンと叩いたのでした。

この日の貴重すぎる経験が僕の座右の銘となっていると言っても過言では無い。


このよく年だったと思うが、ゲイリーさんは単独で大阪の「セントジェームス」というライブハウスで、クリニックとライブを行った。ライブはマスターでありピアニストの田中武久さんのトリオにゲイリーさんが入っての物だった。僕は休憩時間に無謀にも、一曲弾かせてください!と直訴し、共演させてもらったのだ。
その時の曲が「Like Someone In Love」。何故この曲を選んだのかは覚えていない。多分、キースのトリオで聴いたことが無い物を選んだのだろう。

僕の斜め後ろに立って演奏していたゲイリーさん。何度も何度も聴いていたあの音が身体で感じる距離から実際に鳴っている、弾いている!!という心臓が爆発しそうな感覚は絶対に忘れない。若僧の分際ながらその時感じたのは、何とも言えない距離感で寄り添い、ダンスしているかのようだった。


思えば僕が大好きなピアニストは皆、ゲイリーさんを選ぶのだ。

Bill Evans
Keith Jarrett
Paul Bley
菊地雅章
佐藤允彦


当然だなと今では思える。あんなベースはゲイリーさんしかいないから。

Keith Jarrett Trio で初来日の時の東京公演の映像。2部の2曲目「Prism」。キースのオリジナル曲でGmで始まる物憂げな曲だが、最後のコードはEでジャーンと終わる。。。のだが、そのEが弾かれても、余韻を楽しむかのように誰も止まろうとしない。ここからが冒険の始まりだ。キースが「EED#E G#G#F#G#〜」という新しいメロディーを発見して弾き始める。ゲイリーさんは獲物を狙う獣の目だ。そのメロディーが2回繰り返された時、この方向で音楽を進めようというキースの思いはゲイリーさん、ジャックに伝わり、3回目が繰り返された瞬間、ゲイリーさんは「C#」を弾いた。この瞬間、音楽はひとりでに動き出す。そして「A」を弾いた時にそこは楽園と変わった。キースが雄叫びを上げる。音楽が迸り始める!! ここのくだりのカメラワークが素晴らしく、燃え上がって行くキースの表情を追わず、ゲイリーさんの表情の変化を追うというのは何という素晴らしさだ!!だんだん顔が紅潮し、喜びに陶酔して行くのが見て取れる。音楽が作られてゆく様を目の当たりにしている観客は茫然と見るしか無かった。その壮大なエンディングがフッと消えた時、誰もが動けない。拍手、物音一つしない中、「Stella By Starlight」が弾き始められ、神がかったジャックのドラムソロからテーマに戻った瞬間、観客は現実のことだったと気付き大声援が起こる。

これがKeith Jarrett Trio の1番好きな瞬間だ。信じられないドラマだ。

今日はこのDVDでも見よう。ゲイリーさん、ありがとうございました!!ゆっくりとお休みください。



投稿者 石井彰 : 19:34 | その他 | コメント (4) | -

長月。

あっという間に9月に入ってしまいました。皆様いかがお過ごしでしょうか?

6月からの自粛明け後のライブ。やっと演奏活動が再開できる喜びは、次第に薄れ、不安と希望との間で揺れ動く毎日。

ミュージシャンだけでなく、相当な割合で将来に不安が色濃くなって来ている方が多いのではないでしょうか?現政権はトップが変わっても路線は踏襲されるでしょうし、日本の将来はどうなっていくのでしょう。

こんな弱音ばかり吐いていられませんよ!!諦めたら終わりです!!僕は4月から始めているYoutube『譚歌チャンネル』を続けることによって、精神的には物凄く救われていると感じています。何か一心に新しい物に取り組む事によってモチベーションが上がり、将来に対して真剣にビジョンを明確にして行かねばと思うようになっています。止まってはダメだ、諦めてはダメだ、常にポジティブにピンチをチャンスに!!これは日野皓正さんが常に言ってた事。これを痛感しています。


さて、今月のお知らせを。

いきなりではありますが、台風10号の九州接近の影響で9月6日の福岡『New Combo』の譚歌Duoのライブは中止とさせて頂きます。強行する事も考えましたが、自分達の事のみならず、お客様に危険を伴うお誘いが出来ない事、台風を甘くみてはいけない事などを鑑みて決定しました。必ずやリベンジをと思っています。


さて今月は、1番新しいバンド『Quadrangle』のステージをオススメしたいと思います。

『4次元的四角形』な表現を目指す四人。昨年結成されたバイオリンをフロントに据えられたカルテット。本来、ベーシストは水谷浩章であるが、このコロナ禍で参加を断念。彼の師匠である吉野弘志が一角を担うSpecial Quadrangle。是非聴いて 頂きたいと思います。

9月9日(水) 19:00 吉祥寺『Sometime』
石井彰(p)石井智大(vln)吉野弘志(b)池長一美(ds)

9月20日(日)15:00 「せんがわ劇場」(調布市)
『JAZZ ART SENGAWA 2020』
石井彰(p)石井智大(vln)吉野弘志(b)池長一美(ds)


「JAZZ ART せんがわ13年目はコロナvs Jazz。
JAZZ ART せんがわは、13回目を迎えます。 開催の危機から継続を勝ち取った昨年、 2020年はコロナウイルスとの戦いという新たな難敵が現れました。 ミュージックがワクチンになるなんて夢のまた夢、 地球規模での変動は、人類をどこに連れて行くつもりでしょうか。 知恵あるものが、知恵を使える社会になるために、 息をして、目を開いて、のびのびいきましょう。〜巻上公一〜」

刺激的な5日間の最終日トリのステージにQuadrangleは立ちます‼️




そして、もう一つの大きなお知らせです!!

昨年の夏にレコーディングしたBoys 金澤英明(b) 石井彰(p) 石若駿(ds) feat. 日野皓正(tp)という夢のようなアルバムがリリースです。アナログテープによる一発録り!! メンバーそれぞれのオリジナル中心に緊張感溢れるセッションの模様を感じて欲しいです。

通信販売ご希望の方は下記のアドレスまでメール頂ければ、送料無料でお送りします。

boysfeat.hino@gmail.com

もちろん全国のCDショップ、ライブ会場での販売もございます。

投稿者 石井彰 : 22:12 | ライブ | コメント (3) | -
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